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更新日:令和3年11月10日

相手の立場・気持になれますか

弁護士 橋本 裕子

平成18年4月、夫が突然脳出血で倒れ、手足に麻痺(身体障害)が残りました。

高齢になれば、誰でも軽重の差はあっても身体に障害が生じます。自由に動けなくなる日がいつか来るのです。

障害があっても健常者と同じように生活し、仕事をし、楽しみたい。不自由な身体に対して手伝ったり補助してもらうことは嬉しい。そして、自立した日常生活及び社会生活を確保するために一生懸命リハビリに励んでいます。

しかし、言葉では差別をしていないと言っても、本人の心は、皆が足手まといと感じているのではないかと思い、言動に大変敏感であることを感じ、その配慮をしているのか反省する毎日です。

社会経済活動の参加を差別なくできるよう、障害者自立支援法(H17)、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(H6)、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(H12)など様々な法律が制定され、バリアフリーの整備がなされています。

高速道路は、専用駐車場やトイレ、床の段差について配慮されています。

鉄道では、エレベーター設置、優先席、車イスの貸与や補助など形だけは整備されてきています。しかし、三島駅でエレベーターに乗ろうとするとエスカレーターや階段を使用する健常者とクロスしてしまいぶつかりそうになる。又、三島駅でどの車両に乗れば熱海駅のエレベーターに近いのか不明で、駅員に尋ねても分からないとの拒否的な回答があるのみでした。東京駅でもエレベーターとタクシー乗り場が遠い。このように、実際に使用する側からの配慮がなされていないと感じることが多いのです。

ホノルルに、夫のリハビリを考え1ヶ月滞在しました。通行人、警察官がだいじょうぶかと声をかけてくれます。横断中、車は、不安を感じさせない場所に止まって待っていてくれます。日本では横断歩道上で車がすれすれに走っていくことがよくあり、バランスを崩しそうになります。ホノルルは、道路に段差がなく、又、レンガ等による敷石によるでこぼこもなく、バリアフリーが進んでいて、安心して生活ができると思いました。

今後、日本のバリアフリーの整備も、法律があるからただ設備を作れば法律上違反しないという状態から、相手の立場・気持ちになって、使う者がよいと思えるような整備や対応になってもらいたいと思う日々です。