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皆さんは、『人権』という言葉の響きをどのように感じるのでしょうか。
なんだか堅苦しく、自分の世界とは別のように感じていませんか?
私自身が日頃、言葉としての『人権』を意識することはそれほど多くありません。しかし、「人として」どう思うか?ということで感じることがあります。
仕事柄、精神に障がいがあるとされる方々と接することが多いのですが、御本人、御家族とも、障がいの受容にとても苦しみ、ひっそり、目立たぬようにという思いを語られる時、とても心が痛みます。これまでの長い歴史の中の偏見が未だに根強く残っていることが現実のことだからです。
生活の場を求め、施設の建設を計画すると、総論賛成、各論反対は周知のことです。
身近な事例では、精神科の治療とは関係がない一般の治療が必要にかかわらず、精神科がないのでとやんわり治療を断られたことがありました。障がいがあると、あたり前の治療も受けられないのかと思ったものです。それでも次第に、少しずつ垣根が低くなってきたことはうれしいことです。
長い時間をかけ、地道に対話の努力を重ね、実感していただいたことにより、開けてきた事柄ではないでしょうか。
『人権』というのは生き物です。関わる人の立場や考え方で、いかようにも解釈されてしまいます。
日常生活の中で、私たちが不快に感じることは、障がい者とて同じです。何げない対応が相手を傷つけていることが多いものです。よかれと思うことが相手の生き方や、力を否定していることがあったりします。
世の中に種々な人がいてあたり前、種々の生き方があってあたり前、お互いの人としての思いやりがあって、この社会は成り立っていると思えませんか。
いかにコミュニケーションをとっていくのかが大切なのだと思います。
私と違う人がいるからこそ、「人として」つきあうことに心を傾け、今後も生活していくことが、言葉でない『人権』を考えることに通じるのだと、私は思います。