あなたの「富士山物語」(沖縄で見た富士/小泊重洋)

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ページID1019364  更新日 2023年1月13日

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沖縄で見た富士/小泊重洋

二月、富士山静岡空港を利用して沖縄へ行った。沖縄では島の南端にある摩文仁(まぶに)の丘を訪れた。第二次大戦の沖縄最大の激戦地であり終焉の地でもある。ここの平和祈念公園内には、遥かこの地で亡くなった人々を祭るため、各県の慰霊碑が並んでいる。以前訪れた時には、ガイドに引率された団体客が多かったが、その後、国籍、軍人、民間人を問わず沖縄戦で亡くなった全ての人々を祭った平和の礎(いしじ)ができてから、そちらを訪れる人が多いらしく、平和の丘は人影もなく静まりかえっていた。そのため霊域にふさわしく、歩を進めるにつれ肌に感じるものがあった。

静岡県の慰霊碑の前で手を合わせたが、こみ上げるものを禁じえなかった。慰霊碑前の碑文には「魂は富士につながるいついつまでも」と刻まれていた。これほど胸を打つ「富士」の文字を知らない。六十五年前、この青い空と海の間で何があったのか、思い描いた最後の富士はどのようなものであっただろうか。
帰りに機窓から見た富士山は、まさに絶景であった。

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