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更新日:令和3年11月10日

人権教育の重要性

(社)国際婦人教育振興会副会長 錦織 淑子

~人間の尊厳~

1993年に世界人権会議がウィーンで開催され、全ての人権は普遍的であり、人権が正当な国際的関心事であることを確認し合い、人権教育の重要性を強調した会議でした。
それを受けて国連では「人権教育のための10年」を1995年から始めて、既に10年が経ちました。しかし、私はさらに次の10年に向かって努力していく必要性を強く感じています。
それは、「暴力」や「いじめ」によって子どもの命が絶たれてしまう悲惨な出来事が国内で起きているからです。中学1年生が年下の子を、小学6年生が同級生をと、想像を絶するような事が起こりました。実に痛ましい由々しき問題です。
人権教育は、人が人として尊重されているという考え方が、当たり前となるような社会を目指して、あらゆる機会に人権について学ぶ努力をすることです。そこで、大人たちが責任を持って家庭や学校でさらに地域で学びあい、子どもたちの模範となるよう求められています。
子どもたちを取り巻く生活環境の中には、「暴力」や「いじめ」という「人間の尊厳」に関わる人権問題が、増加の傾向にあります。文部科学省は、2003年度に公立の小学生対象に問題行動調査を実施して、その結果を発表しました。それによりますと、小学生の暴力は過去最多であり、荒れる子どもの低年齢化が進み、校内暴力はもとより、学外においても増加が見られ、いじめの発生件数も8年ぶりに増加しているという報告でした。「いじめ」の問題は、決して簡単なものではなく、深刻さを表しており、様々な原因が重なり合って生じているように思います。自分と他人を平等にみないという差別感や思いやりの心の未熟さが表れています。しかし、バスや電車で子どもによく席を譲られる経験がありますが、思いやりの心が育まれていることを実感し、とても頼もしく思うことがあります。
思いやりの心を育てるという心の教育は、家庭教育の重要なことであり、親の責務として、まず家庭で取り組まなければなりません。
「人間の尊厳」を守り、育てるということが、人権教育の基本問題であり、「いじめ」の問題は、改めてそのことを問い直していると思います。「人は人として尊ばれる」という考え方を子供たちに認識させることが何としても大事なことです。この基本問題を教育の中心に据えていかないと「いじめ」の問題は、一時的には効果があったとしても、全面的な解決につながっていかないだろうと、私は考えています。