あなたの「富士山物語」(いつでも富士山/福島未三)

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ページID1019384  更新日 2023年1月13日

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いつでも富士山/福島未三

あれは三十五年前のことだった。当時、アルバイトで横浜から静岡の三島までキーパンチャーのデータを電車を使い、受け取りに行っていた。

ある日のこと、ちょうど大井川の鉄橋の上にさしかかっていた時だった。私は車内で下を向きながら行き帰りの交通費の計算をしていたが、なかなか合わず考えこんでいたその時だった。ふと呼吸をし上を向くと、窓から愕くほど雄大な光景が飛び込んできた。あの富士山だった。いつも富士山という山の名は聞きなれていたはずなのに、実際に目の前で見ると心にどしんとくる重さを感じてしまったのだった。雪をいただいた富士はなんと大きく美しいものなのか。ひと目みただけで私のこころは圧倒されていた。こまかい小さなことに気を取られていたじぶんが情けないと思った。
これからは、小さなことにとらわれない自分になりたいと誓った日になり、そしてそれを教えてくれたのは世界で唯一の山、富士山だった。

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