あなたの「富士山物語」(富士山は生きている、みんなと共に/平本美保)

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ページID1019395  更新日 2023年1月13日

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富士山は生きている、みんなと共に/平本美保

新富士駅前で路線バスを降りて、十分ほど歩き、建物の角を曲がった時、思わず「うわあ。」と、心の中で叫んでいました。雪を頂いた雄大な富士山が、裾野を広げて出迎えてくれていたからです。ここは「ふじさんめっせ」。企業などが使う広い展示スペースを備えた施設で、名前のとおり施設の背後に富士山がそびえています。今日は二〇〇九年十二月六日。ある企業が主催しているDIY作品の展示を見に、私は伊東市宇佐美から出向いて来たのです。

私は四年前に、広島市から伊東市に引っ越してきました。それまで、私が富士山に対して持っていたイメージは、「日本を象徴する美しい山」というものでした。時折、上京する機会には、新幹線の窓から眺めました。飛行機の窓から見おろすこともありました。でも、それだけでした。「あ、富士山だ。」と。それが静岡県に住むようになってから初めてのお正月、函南にドライブに出かけ、手前の低い山なみの後ろに、青空を背景にすっくと頂を見せる真っ白な富士山を見た瞬間、その周囲を照らすがごとき神々しさに深く胸をうたれ、こう感じるようになりました。「富士山はただの山ではない。生きている山なのだ。」と。

その経験以来、川奈から、三島から、箱根から、伊豆大島から、そして新富士からと、静岡県に住めばいつでも富士山を眺望する機会に恵まれますが、いつ見ても、何度見ても、富士山は新たな感動を私に与えてくれます。

それは私にとってだけではなく、富士山を臨むすべての人にとって共通のことなのだろうと思います。それこそが、富士山が生命を持っているということにほかならず、富士山がいつもみんなと共に、これまでも、そしてこれからも、命がつながれてゆく果てしない旅路を歩んでくれるのだと、未来の希望を予感させてくれるのです。

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