第20回生産者と購買者をつなぐ「産地のミカタ」

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ページID1043805  更新日 2023年1月20日

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島田市を拠点に農産物の営業代行事業に取り組む「産地のミカタ」大畑悠喜様

こんにちは。静岡県中部地域局です。
地域活動に取り組む方々にスポットを当て、地域と関わるようになったきっかけや活動内容について、中部地域局の職員がインタビューし、みなさんに情報をお届けします。
第20回となる今回は、島田市を拠点に農産物の営業代行「産地のミカタ」を立ち上げ、生産者と購買者をつなぐ取組を展開している、大畑悠喜(おおはたゆうき)様に、インタビューしました。

写真:白のシャツ姿で微笑む大畑さん

農産物の営業代行事業の仕組みとやりがい

私の仕事を一言で表現すれば、「生産者さんの代わりに農産物を売ってくる」ことです。
農家のみなさんは、本当にこだわって、努力して野菜や果物を作っています。そうした農産物を適正に評価し、希望する価格で買ってくれる問屋さんとマッチングすることが狙いです。
このビジネスの土台になっているのが、里山の美しい葉っぱや花を料理の“つま”として出荷する「葉っぱビジネス」を行う、徳島県の「いろどり」という会社に9年間勤めた経験です。
もみじの葉や桜が商品として売れるようになるには、まず生産者を集め、魅力的なパッケージを用意し、知名度の向上に取り組むことが必要です。
また、産地側の意識改革も大切です。例えば、ホホホタケについても、親しみやすさとインパクトを持ったパッケージに変更しました。

写真:ホホホタケの外観


その他にも、マスコミの人脈を活用するなど、様々な仕掛けを行い、購買者のニーズに合わせて産地マネジメントを行います。具体的には、生産者の方と一緒に、農産物が実際に取引される市場における競売を見てもらい、農産物がどのように価値判断され、価格が付けられていくのか見ていただきます。
その現実を知っていただいた上で、今後の売り込みの方向性を産地と検討し、販売をしていきます。
農産物の付加価値を高めるための工夫にも、知恵を絞っています。ホホホタケを販売する際に、そのパンフレットも一緒に置くことで、料理人がレシピをイメージできるようになり、買ってもらえるようになることもあります。
また、きのこも生き物なので、突発的なトラブルへの対応も、生産者の方と協働して行います。
購買者に対して生産者の代わりに農産物のプレゼンテーションを行うのも、私の仕事です。加えて、東京の豊洲市場などで集めた情報を、生産者の方に伝えてパンフレットを作っていく等の情報発信支援につなげていく活動にも取り組んでいます。
これまでの経験で見えてきたのは、販売者との事前の交渉が大事だということです。商品を持ち込む前に、販売者と交渉して相互理解の下地を作っておくことで、お互いが納得できる価格での取引がしやすくなります。こうした事前の努力を行わないと、安く買いたたかれてしまいがちになります。
日々の交渉や情報集め、産地マネジメントなど、やることはいくらでもありますが、私が生産者の方と協働することで、売上が目に見えて増えていったり、規模が拡大していくことが、今の私を支えるやりがいです。

写真:ホホホタケを手に持ち生産者と打合せをする様子

誰にも、どこにでも長所があります

私は、どんな人やどんな地域にも長所があって、それらがもし目立つことができないのであれば、活躍できる場所が用意されていないからだと考えています。それを共に探し出し、掘り起こして、活躍の下地を整えるのが、私が地域に対してできることだと思っています。
島田市川根地区にある株式会社大井川電機製作所は、様々な魅力を持っています。東京や名古屋といった大きなマーケットにも比較的近く、緻密で正確な仕事ができる方々がいます。そのことによって、普通は安定供給が困難なホホホタケを供給できています。これはすごいことで、しっかりとアピールすれば価値を分かってもらえます。
他にも、川根地区にはいい野菜がいっぱいあり、のびしろが十分存在すると思っています。

SNSを活用して、仲間と野菜の価値を発信したい!

私は現在、個人事業者として1人で働いていますが、将来は一緒に野菜の価値を発信する仲間を作って、SNS(インスタグラム)を活用して、全国でノウハウを共有してつながっていきたいと思っています。
大きな企業を作りたい訳ではなく、自分の働いた成果によって、目の前の生産者の方が幸せになっていくことが目に見える距離感が、心地よく、やりがいがあるのです。
やりがいのコアとなるのは、生産者の方が頑張って作った作物が評価され、売れることです。生産者の方と一緒になって汗をかき、お互いが豊かになっていければと考えています。

画面サムネイル:インスタグラムのページ

島田市のここが好き!

ダントツで人間性にほれ込んでいます。朗らかで、新しいことも「とりあえずやってみようか」と、一緒に取り組んでくださり、協働関係を築きやすいと感じています。
また、目先の利益よりも、長期的な視点に立って事業に取り組んでくださるので、共に成功に向けてじっくりと準備ができる下地があると思います。

写真:店舗に並んだ商品の前でホホホタケを手に微笑む生産者と大畑さん

このページに関するお問い合わせ

中部地域局地域課
〒426-0075 藤枝市瀬戸新屋362-1 藤枝総合庁舎2階
電話番号:054-644-9102
ファクス番号:054-645-1152
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