「相手の立場に立って」は難しい?【寄稿日:令和4年1月27日】

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ページID1013461  更新日 2023年1月13日

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常葉大学 教育学部 教授 佐瀬竜一 氏

ユニバーサルデザインにおいては、相手の立場に立って相手の視点から考えてみることが重要となります。しかし、人は誰しも自分の意見に合う情報ばかり集め、支持するという偏り(バイアス)が存在するために「相手の立場に立って」が難しいのです。

したがって、ただ「相手の立場に立って」と言うだけではなく、相手の心の動きを図のように書き出すなどの工夫や、ある心がけが必要です。それは自分の行動の先にいる相手の心や表情を時には想像することです。自分の行動の先にいる相手の心や表情を想像することによって文章の質が向上する、より買い手に響く新商品を開発できるなどのメリットがあります。

いつも他の人のことばかり考えて生きるのも窮屈ですが、いつも自分のことだけ考えて生きるのも寂しいものです。私の好きな歌にこんな歌詞があります。「僕のした単純作業がこの世界を回り回ってまだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく。そんな些細な生き甲斐が日常に彩りを加える。」(Mr.Children「彩り」より)。「些細な生き甲斐」をお互いに感じる、噛み締めることができる社会を目指すことがこれからの心のユニバーサルデザインに求められていると思います。

イラスト:相手の立場に立っては難しい

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