NEXCO中日本さん訪問その3

UD特派員の田形友里恵です。

高速道路を利用するお客様にとって、「お手洗いは大変重要」という考えから、NEXCO中日本さんの手がけるSAのお手洗いは、こだわりが多く、UDが大変充実しています。

空間デザイン

色や素材の工夫から始まり、品格ある雰囲気のお手洗い【写真1枚目】や、ファミリートイレ、待ち合わせに最適なロビーの整備など多くの人が快適にお手洗いを利用できるよう様々な取り組みがされています。

また、お手洗い利用の快適性向上のため、ブース利用の偏りの解消を目的に、遠近法と照度に着目、試行的に視線誘導によるブース利用頻度の平準化を図っているエリアもあります。

チョウチョのビジュアルがおしゃれなだけでなく、無意識に視線誘導をする効果を期待しています。【写真2枚目】

お手洗い利用案内表示板の整備

お手洗いの個室に円滑な誘導を行うため、利用案内表示板を設置しています。【写真3枚目】

こちらが、私がSAを訪れた際にとても感動した空いているかどうか一目でわかる表示板です。

色弱の方にも見やすいよう色彩計画にも工夫がされています。

表示板の他にも、それぞれの個室にランプがついており、空いているか一目でわかるものもあります。

乾式清掃の採用

従来は、臭気対策・清掃作業効率の向上のため、湿式清掃（床に水を流して清掃する方法）を採用していました。【写真4枚目】
しかし、湿式清掃は、清掃後の床が滑りやすくなり、汚れた印象、さらにお客様が水跳ね等により汚れる心配がありました。

この対策として、乾式清掃（固く絞ったモップ等で汚れを拭き取る方法）を採用するとともに内装材にゴムタイル等を採用しています。

お手洗いサイン計画の改良

誰もが使いやすく、わかりやすいピクトサイン（絵記号）を整備しています。

近年の国際化への対応として、ピクトに文字を記載する場合は、日本語の他、英語、中国語、韓国語を表記しています【写真5枚目】

パウダーコーナーの設備

化粧直しだけのお客様もいることから、洗面等のWETゾーンと切り離し、DRYゾーンとして、パウダー、フィッティングコーナーを個室化することで、衛生的に使いやすい印象になっています。

また、長い時間使用することで「他の人に迷惑ではないか？」という気持ちに配慮するため、女性社員で話し合いを重ね、お手洗いに入ってから出るまでの配置や動線が考えられており、無意識に一方通行で移動できるように工夫されているお手洗いもあります。

オストメイトの方への配慮

オストメイト専用の便器が通常個室に設けられ、一見、健常者の方と変わりのないオストメイトの方が気兼ねなく用を足せるよう配慮されています

その他にも、清掃員は、いざという時にご高齢の方などのお手伝いができるようサービス介助士2級の取得を推進していたり、利用実態調査の結果から、女性用お手洗いを混雑させないようにの個室数を増加するなどSAのお手洗いには、様々な取り組みがされています。

次の記事では、NEXCO中日本さんが手がけるSA全体のUDについてご紹介させていただきます。

資料提供：中日本高速道路株式会社