しずおか文化財ナビ 富士石遺跡出土石製装飾品

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ページID1021144  更新日 2023年11月4日

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写真:富士石遺跡出土石製装飾品

よみ
ふじいしいせきしゅつどせきせいそうしょくひん
指定区分、指定種別
県指定/有形文化財 ・ 考古資料
指定日
2017年12月8日
員数
1点
所在地
静岡県静岡市清水区蒲原5300-5(静岡県埋蔵文化財センター)
一般公開有無
駐車場の有無
公開情報

所有者情報

  • 静岡県

指定内容

【指定資料】 富士石遺跡は、愛鷹山の南東麓に所在する旧石器時代から近世にかけての遺跡である。この遺跡からは、多くの旧石器時代の遺物が出土しており、石製装飾品はその一つである。この石製装飾品は、長さ約9センチメートル、幅約3.5センチメートル、厚さ約1.5センチメートルの大きさで、扁平な縦長五角形状の石材に穿孔や刻線を施したものである。穿孔は、道具を回転させて両面からすり鉢状に穿ったもので、上面径は約12ミリメートル、開通部径は4ミリメートルを測る。垂飾用の孔と考えれば均整の取れた位置にあり、表裏からの穿孔が良好に一致して均整の取れた円孔となる点には、技術の高さを知ることができる。線刻は、一方の長側面の表裏面に回り込むかたちでやや深く長い刻線が9条、側面の幅に収まる比較的浅い刻線が5条、計14条がそれぞれほぼ等間隔に刻まれている。このような穿孔や線刻は石器によって加工が行われたものと推定されるが、本品はその加工の痕跡を多数、整然と残していることから、我が国における旧石器時代の石材加工技術を考えるうえで極めて重要な事例である。また、このような特徴を持つ旧石器時代の石製装飾品で本品のような比較的大型のものは、日本国内での出土例が極めて少ない貴重なものといえる。以上のことから、本石製装飾品は、旧石器時代の遺物として石材加工技術の高さを示すとともに、当時の人類の精神的な活動と社会との関連性を示唆する学術上重要な資料である。

地図情報

地図

このページに関するお問い合わせ

スポーツ・文化観光部文化局文化財課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3183
ファクス番号:054-250-2784
bunkazai@pref.shizuoka.lg.jp