ふじのくにDX推進計画(仮称)の素案策定の過程 関係団体との対話

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ページID1042053  更新日 2023年1月13日

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ふじのくにDX推進計画(仮称)の骨子案の説明については、第1回から第5回までで説明したところだが、今回は、経済産業部の部長代理であり、デジタル推進官の増田氏に産業団体で対話をする相手を紹介していただき、それぞれの取組を伺いに行った。

計画では、理念の一番にある「誰にも優しく」の部分をしっかり書きたいと思ったので、デジタル化が進んでいる大企業より、中小企業がDXについて実際どう思っているのか、どのような課題を抱えているのか現場の声を聞こうということになった。

今回、6月18、23、24日で伺ったのは、島田市商工会(旧金谷町、川根町、初倉の商工会が合併)、JA静岡中央会、JA静岡経済連、県中小企業団体中央会の各団体である。

島田市商工会

島田市商工会では、岡村会長自身が情報系の会社を経営しており、思った以上にデジタル化が進んでいた。現商工会は元々3つの地域の旧商工会が合併した商工会で、コロナ禍ということもあり、役員会や総会などは全てペーパーレスで支所間の連絡もWebを積極的に利用していた。トップの意思が組織全体にスピーディーに伝わる良い事例であった。

また、9万人の市民のうち6万人が登録した島田市のLINEクーポンの利用では、これまでデジタルに不慣れだった事業主も、旨味があると思ったのか問い合わせも急増していた。

このように、有益なネットワークが手軽に構築でき、デジタルを使った身近な成功事例を示すことがデジタル化を進める大きな一歩になるということが分かった。

JA中央会と経済連

JA中央会では松本専務理事と、JA経済連では石川常務理事と意見交換をすることができた。

JA中央会では、世の中のデジタルの動きが速く、組織としてデジタル化に適切に対応できているか心配しているとのことだった。

それでも、3年前から役員会はタブレットでペーパーレスに取り組んでいる。肥料の年間利用に関し手書き伝票からOCRで対応するようになったが、一方で電話でのやりとりもあり、まだまだ浸透するのには時間がかかる。また、国(農水省)の補助金申請がこの4月から全てオンライン申請になった。否応なしに対応しなくてはいけないが、逆にオンライン申請がネックとなり補助金を活用できない恐れもある、とのことだった。

県に対しては、組織内のことでは、課題解決策等を相談できる専門人材の紹介についての要望があった。組織として気づいている課題に対する解決方法に加え、デジタルだけでなく、我々の業務の中に入って自分たちが気づいていない部分の改善点の指摘も頂きたいとのことであり、ある程度長期にわたって指導頂きたいとのことであった。

スマート農業については、先進事例としての様々な取組について、県として費用対効果の検証をしてもらい、経営規模別の導入モデルを示してもらいたいとの要望があった。

また、DX推進計画については、KPIを設定すると思うが、県民目線で効果がわかりやすい指標の導入を要望された。

中小企業団体中央会

お話ししてくれたのは、田中専務理事(中央奥)と佐塚常務理事兼中小企業組合デジタル化サポートセンター長(左奥)、木村前専務理事(右奥)であった。

写真:6名での打合せの様子


中央会では、令和2年度に組合及びものづくり補助金対象企業に対し、デジタル化に関するアンケートを実施しており、アンケートでは、デジタル化の費用対効果が不明確、どこから取り組めばいいのかわからない、といった声が多く聞かれた。

それらを踏まえ、令和3年度から新たにデジタル化サポートセンターを設置し、3年間で事業を展開していくことを計画している。今年度は課題の掘り起こしから始めたいと思っているが、組合員間の取引を紙ベースからデータ化したいとの相談が寄せられているため、個別に支援する予定でいる。

中小企業のデジタル化は、詰まるところ業務改善であるため、外部の専門人材を活用する場合はベンダー任せでは駄目で、現場をよく知らないと効果的な改善案が提案できないので、地域での人材育成が必要なのではないか。当面は、現場に入り込んで課題を洗い出す中で実態把握に努め、デジタル化による課題解決につながるような支援手法を徐々に確立していく。

身の丈に合った身近な成功体験を作ることで横展開を図っていきたい、とのことであった。

総括

各団体で共通していたのは、デジタル化に頑張っている個人・会社から、デジタルに全く価値を見いだせない人まで様々な方がいるということだった。大多数は、デジタルの流れが来ていて、取り入れていった方が便利になりそうな気がするが、今すぐにやらなくてはいけないものではないと思っている人も多い。

そのような中で、現場の業務を熟知した人がデジタル化で課題解決していけるように、まずは専門家を派遣してもらい、組織内の人材育成を行い、将来的には自分たちで改善していけるようにしたいとの思いを聞かせていただいた。

加えて、身近な成功体験が、周りの人たちのやる気を起こさせるということから、多くの成功体験を示して、横展開していくことが非常に重要であると感じた。

この対話でお話ししていただいたことをDX推進計画に反映していきたいと思う。

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