実践NOTE591 「生成AIと挑んだ教材づくり ~ボードゲームで深める感染症理解~」

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ページID1083220  更新日 2026年6月30日

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「生成AIと挑んだ教材づくり ~ボードゲームで深める感染症理解~」

静岡県立富士宮東高等学校 福祉科 教諭 勝下 優里

初めての挑戦:授業にボードゲームを持ち込んだ理由

写真:ボードゲーム「感染症バスターズ」表紙
ボードゲーム「感染症バスターズ」表紙

 感染症に関する知識や技術は、福祉の現場で利用者の生命を守るために欠かせないものです。そのため、現場で活用できる判断力と技術を身に付けさせたいという思いから、これまで扱ったことのないボードゲーム形式の授業づくりに挑戦しました。初めての試みで不安もありましたが、「生徒の学びが変わるかもしれない」という期待で挑戦してみました。

生成AIとともに作る教材:試行錯誤と対話のプロセス

 教材づくりの過程では、生成AIを活用しました。ゲームの目的、キャラクター設定、ゲームの流れなど、一つひとつ試行錯誤しながら形にしていきました。生成AIは、“正解”をくれる存在ではなく、私の考えを整理したり、別の視点を示したりしてくれる存在です。対話を重ねれば重ねるほど、教材の輪郭がはっきりし、同時に私自身の授業観も磨かれていきました。

生成AIでは見えない、生徒の姿が教えてくれること:生徒に合う教材は現場から生まれる

写真:感染症カード、行動カード、対策カード(この3つのカードで対戦)
感染症カード、行動カード、対策カード
(この3つのカードで対戦)

 一方で、生成AIがどれだけ便利でも、最終的に「この生徒たちに必要な学びは何か」を判断できるのは、日々教室に立つ教員だけだということも強く感じました。生徒の反応やつまずき、興味の方向性を一番よく知っているのは教員です。生成AIはあくまでも手助けをしてくれる存在であり、教材の方向性を決めるのは教員の役割です。感染症バスターズゲームを作りながら改めて“現場の目”の大切さを実感しました。

2回の実施で見えた課題:生徒の声が教材をよりよくした

写真:施設をイメージしたゲームボード
施設をイメージしたゲームボード

 このゲームは、感染拡大チームとバスターズチームに分かれ、感染症の拡大を食い止めるゲームです。感染拡大チームが感染症カードを引き、バスターズチームが対策カードを引く。その対策カードが、感染症の拡大を食い止められる対策かどうか、学習した内容を振り返りながら検討をしていきます。
 このゲームを単元の導入と単元末の2回実施しました。2回目は、感染症の学習を終えた後であったため、生徒の判断はより具体的になり、根拠を持って説明ができるようになりました。また、ゲームの改善点についても積極的に意見を出してもらい、教材そのものを一緒に育てる姿が見られました。
 このように生徒の声を反映したことで、さらにブラッシュアップすることができました。この経験から教材というものは教員だけで完結させるのではなく、教員と生徒の対話の往復によって、より理解を深められるものへ成長していくのだと実感しました。

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