あなたの「富士山物語」(私の富士山物語/菊地友子)

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ページID1019362  更新日 2023年1月13日

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私の富士山物語/菊地友子

平成二十二年七月三十一日

早朝五時三十分富士山登頂しました。何度も何度も、きつい上り坂に若干の高山病と思われる吐き気との戦いで、苦しく辛い富士登山でした。二ヶ月経った今でも、思い出の写真を見る度に、夢の様な錯覚に陥っています。

私が山に魅せられる様になったのは、平成十九年の秋に、突然会社の検診で病気の宣告でした。それまで四十九年間は、病気知らずの日常生活を過ごして来たのでしたから、それは図り知れないくらいのショックで、自分の気持ちの居場所が無いくらい辛い事でした。(死と向い合ったのは初めてでした。)

緊急手術、そして抗がん剤との戦い。入院中の家族への心配や負担は多々あり、忘れられない秋になりました。そんな入院生活の中で、入院病棟の窓越しから、秋晴れの空にくっきりそびえ立っている岩手山に魅せられ、いつかは登ってみたいと思うようになりました。

そして、病気が回復し退院後仕事復帰していた、平成二十一年の秋に、出張で岩手に来ていた中村さんという方と知り合い、山の話をしている中で、静岡の自宅から見た富士山や、以前登頂した時の御来光の写真を拝見しました。その後、岩手から静岡へ戻った中村さんは、色々な富士山の風景写真を送ってくれたりもしたのです。あまりの私の感激ぶりに、なんと「初心者でも登れるよ。」と声を掛けてくれたのです。

岩手山より先に日本一の山に登れると思うと夢が大きく膨らみ、主人も同行してくれる事で富士山登山を決意したのです。私にとって非常に苦しい道のりでしたが、主人や中村さんから何度も暗闇の中で励まされながら、一歩一歩前へ足を進める強さを体験した事が、今でも日々の活力になっております。そして、来年も富士山に是非お会いしたいと思っています。

最後に今回の富士登山に際して、お世話になった静岡県須山の中村家の皆様に感謝致します。

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