働き方改革先進企業（沢根スプリング株式会社1）

コイルの製造販売

沢根スプリング株式会社

所在地

静岡県浜松市南区小沢渡町1356

業種

コイルの製造販売

• 沢根スプリング株式会社のホームページ（外部リンク）

概要

誰もがいきいきと働ける職場づくりのための先進的な取組を学ぶ「いきいき職場づくり先進企業視察研修」を、沢根スプリング株式会社で開催しました。

平成29年10月19日（木曜）実施

1. オリエンテーション
   コーディネーター　富田哲弥氏（株式会社リッチフィールド・ビジネスソリューション）
2. 講演
   沢根スプリング株式会社　代表取締役　沢根孝佳氏
3. 社内見学

会社を永続し、人生を大切にする会社づくり

沢根スプリング株式会社は、各種ばね及び関連製品の製造、販売をしている従業員約50人の会社です。

1人あたりの月時間外労働を6時間未満としながら、昭和41年の創業以来連続して黒字である経営が評価され、平成26年に「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞中小企業庁長官賞を受賞しました。

沢根社長は、同社の経営について次のように述べています。「無理をせず、自然体でいることにこだわっている。つまり、80点主義、腹8分経営に取り組んでいる。」

同社は、経営理念に次の5つを掲げています。

• 会社を永続させる
• 人生を大切にする
• 潰しのきく経営を実践する
• いい会社にする
• 社会に奉仕する

その中でも特に重要なポイントである、「会社を永続させる」と「人生を大切にする」について紹介します。

ポイント（1）「会社を永続させる」

会社の規模をいたずらに大きくせず「適正規模」を守り、「堅実経営」に徹するということ。規模は小さくても、関わる全ての人のために永続できる会社であることが大事である。また、社員自らの力で「考え・作り・売る」ということを実践する。いい商品を早く安く「作る」だけでなく、その前後の、「考える」、「売る」ということを実践しなければ、会社は永続できない。

ポイント（2）「人生を大切にする」

お互いに一回だけの限られた人生を大切にするということ。人生にリハーサルはないので、今日も楽しかったなと思える人生を送るために、80％で満足し、働く喜びや自己成長を感じられる会社にする。完成を目指さず、小さなことを積み重ねれば、結果的に喜びや自己成長につながる。

沢根スプリング株式会社の取組

ここでは、沢根スプリング株式会社で行っている取組について紹介します。

イメージソング

若い社員にも親しみやすい音楽で、会社のベースである経営理念を理解し、共有してほしいという思いから経営理念を歌詞に込めたイメージソングを作成しました。イメージソング「yellow factory　幸せの咲く場所」はYouTubeでご覧になれます。

100年カレンダー

社員に、人生には限りがあるということを意識させ、一人ひとりにビジョンを描く力を養ってほしいという考えから、2001年から2100年までの100年カレンダーを社内に掲示しています。

社員文集

社員が自由に思いをつづる社員文集「やらまいか」を毎年発行しています。社員にとっては、年に一度、自分の人生について考える機会となり、沢根社長にとっては、社員の考えを知ることができる機会となっています。定年退職者には、これまでの原稿を1冊の本にまとめて「自分史」として贈ります。

社長だより

給与明細に、社長から社員とその家族に向けたおたよりを同封し、配付しています。きっかけは、封入した給与明細が外側から透けて見えてしまうため、「何か紙を入れよう」ということで、社長だよりの同封が始まりました。

誕生日祝い

仲間意識や大切にされている実感を与えることが大事であるという考えから、社員の誕生日には、毎年必ずケーキをプレゼントし、バースデーソングを歌い、記念撮影しています。

社員意識調査

幸せ度や、組織風土、働きやすさなど、約60項目の調査を毎年実施し、調査結果のベスト10とワースト10を社員に公表しています。社員から寄せられた要望・意見については、できることから少しずつ取り込んでいこうと考えています。

残業・有給休暇取得率

社員が家族団らんの時間を持てるよう、残業時間の削減と有給休暇取得推進に取り組んでいます。結果として、社員1人あたりの月残業時間は6時間未満です。また、有給休暇取得率は、全国平均の48.1％を大きく上回る81.2％となっています。

最後に

沢根社長は、いきいき職場づくりに必要な要素について、「仕事が面白い。変化や成長が実感できる。意見を聞いてくれる土壌がある。自分の仕事が社会に役立っている。人間関係が濃密でみんな仲がいい。会社から大切にされている実感がある。これらを社員が感じられるような取組を会社に合った形で具現化し、継続して実践することが大事だ」とお話してくださいました。