実践NOTE599 「中学校理科『エネルギー領域』における主体的な探究活動の実践」
「中学校理科『エネルギー領域』における主体的な探究活動の実践」
菊川市立岳洋中学校 教諭 栃山 裕策
「エネルギー領域」を自分事にする探究授業
本実践は、中学校理科の中で、特に抽象度が高く生徒が苦手意識をもちやすい「エネルギー領域」において、生徒が自ら問いを見いだし自分事として探究する授業の開発を目指しました。そこで「身の回りの現象を力学的エネルギーの視点で捉える」ことを探究の軸に設定し、後ろに引くことで動力を得るミニカー(プルバックミニカー)を用いて探究活動を実施しました。
自由で開かれた探究活動の実現
探究活動では、学習班ごとに探究課題を設定し、クラウド上にあるアクションプランを使って学級全体で共有しました。課題を検証するための実験では、「ミニカーを引く力と走行距離の関係」や「複数の簡易速度計を用いた走行時の速度変化」等の探究が行われました。理科室では、ばねばかりやメジャーテープ等、10種類以上の用具を自由に使用できる環境を整えることで、自由度の高い探究活動が実現しました。また、探究の進捗を他班と報告し合うクロストークを実施したことで、自分たちの探究方法を見直す自己調整が行われました。
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探究の目的を可視化する「探究マップ」
自律的な探究活動を促すには高い自由度が必要ですが、「おもしろかった」で満足し、本質を見失う恐れがあります。そこで活用したのが、「探究マップ」です。生徒が問いや仮説をマップ上に付箋で配置し、自分たちの探究が単元全体のどこに位置するのかを常に確認しました。実験や活動に夢中になったときも、探究マップに戻ることで「どの部分を解明しているのか」を再認識でき、軸のぶれない活動が実現しました。
深い学びを確かなものにするために
探究の軸を意識した主体的な活動によって、単元の学びが「単に暗記するもの」から「身の回りの現象を説明するための資質・能力」につながりました。これは、次期学習指導要領で重視される「知識及び技能に関する統合的な理解」「思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮」につながるものです。深い学びを確かなものにするために、教師と生徒が探究の軸を共有し、自分事として取り組む授業デザインを今後も実践していきます。
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